2013年9月28日土曜日

分析010

次回の動画投稿は10月5日(土)前後を目安にお願いします。最終期限は10月12日(土)です。



前回よりは捻りが入ってヘッドが投手寄りで抜けています。しかし、その反面、スイングにタイトさがなくなってしまっています。(特に巻き戻しで、腕がグニャっとなってバットがブランとなる感じ)

結果云々も大切ですが、基本も大切なので、今回は、それを書きます。

つまり、パンチャータイプのオートマチックステップとして「出来ていなければならない必須のポイント」が有るとすると、まだ、不十分である部分が有るという事です。

それは

(1)「前軸が効いて、巻き戻しが強く出せる」
(2)「タイトなスイングが出来る」

という二点です。相互に関わりがあると見られますが、(1)は日本人が特に苦手とする動きで、(2)は右投げ左打ちの選手が苦手とする事が多いポイントです。

そこで、下の動画を見てください。


私の場合は右投げ右打ちで、しかも腸腰筋トレーニングをだいぶやったので、その二つについては出来ています。(もちろん、他には、いろいろと問題が有りますが。)

試合では投手がマウンドの上から投げてくる分、アゴが上がりやすいですし、タイミングのブレもあって、もう少し巻き戻しは弱くなると思います。しかし、フリー打撃なら、このくらいは巻き戻せる必要が有ります。

右投げ左打ちでも、ジャスティン•モーノウやフレディー•フリーマンのように、タイトなスイングが出来る打者はいるので、出来ない事は無いはずです。

フレディ•フリーマン



ある程度、振れてきて、技術的にも安定してきた今の段階で、もう一度、オートマチックステップの数々のポイントの中で「何が出来ていないか」という事を箇条書きにしておきます。

(1)「前軸が効いて、巻き戻しが強く出せる」
(2)「タイトなスイングが出来る」
(3)「両脚股関節が割れた上で前の膝が内、後ろの膝が外のラインを作る」
(4)「始動時に後ろに戻ったり、前の膝が内に入ったりなどのクセを無くす」
(5)「ボトムハンドの引きが小さいスイングが出来る」
(6)「高めに被せるようにバットが出せる」

このあたりのポイントについて、これからの課題としていくと良いと思います。逆に出来るようになってきた事もあります。それは「始動時の下半身の力が使える」「骨盤が前傾し、脊柱のS字カーブの効いた構えが作れる」「前脚股関節の伸展を使って背中に反りが出来て、前足の設地点から頭が一本のラインになるスイングが出来る」「股関節伸展の効いた、腰を突き出すスイングが出来る」などです。巻き戻しもだいぶ出るようになってきましたが、まだまだ、もっと強くしていく必要が有ります。そして、試合では空振りした場合は右打者と同じ巻き戻しの動きになり、打った場合はホームベース方向に後ろ脚を踏み出してから走り出すスイングが出来るようにしていく必要が有ります。

ただ、今はシーズン中なので、とりあえず上記の事を気にしすぎずに、打ちやすいように打つのが一番大切な事です。特に極めようとし出すと難しい打ち方ですが、本来は一番簡単な打ち方でも有るので、出しやすい位置にバットを置いて、そこから打つだけにした方が良いでしょう。全部やろうとすると逆に打てなくなります。

細かいポイントは、今までの練習によって身体が憶えているという事にして、試合の中では「構えた位置からバットを出すだけ」という、オートマチックステップの根本に立ち返る事が大切です。

強いて言うなら、構えを作るとき、もう少し腸腰筋をストレッチする習慣を付けた方が良いです。打つ事に集中しだすと忘れがちになりますが、腸腰筋をストレッチした後にその反動で股関節を折った時、胸椎が後弯し、膝が緩んでハムストリングスが効いた感じを確認してから構えを作るようにする事を忘れがちなようです。



その辺は、山下さんの記事にも書いています。(2)から(3)にかけては揺らぎで重心を下げながら微調整すると言う意味です。全部揺らぎで下げたり、直線的に腰を落とすのは良く有りません。

今回は以上です。

2013年9月26日木曜日

分析009



今回の動画はあまり良いパターンとは思えませんが、結果を出さなければならない時期なので、結果が出るようなスイングをしたら良いと思います。

一応、どこを見て「良いパターンでは無い」と思ったかというと、前回の良いケースでは捻りが効いていた結果、懐が身体の中心よりややキャッチャー側に出来ており、そのぶん、ヘッドが投手寄りのポイントで抜けてくれていたからです。一方、今回の場合、あまり捻りが利いておらず、懐が身体の中心近くに出来ている感じで、ヘッドの抜けがもう一つであるように見えます。このへんは、飛距離などに影響してくると思いますが。

今回は以上です。

2013年9月19日木曜日

分析008

次回の動画投稿は9月26日(木)前後を目安にお願いします。最終期限は10月3日(木)です。


今回はかなり良い感じです。やはり今の林さんの状態だと、このくらい捻って肘を挙げた方が身体の力は引き出せると言う事でしょう。とりあえず、フリー打撃は、このような感じで行なうのが一番良いと思います。ただ、このように捻って後ろ脚股関節を割り、肘を大きく挙げると、ヘッドの抜けは良くなりますが(前方で抜けるようになる。良い意味で前で打つ事が出来る)その反面、ボトムハンドの引きが強くなります。今回の動画でも、インパクトではボトムハンド側の肩甲骨はあまり残っていません。

なので、このスイングだけを続けていくと、調子が悪くなる可能性も有ります。一方、下の写真はあまり捻っていない構えからのスイングで、腕の形自体は、かなり理想型に近いものになっています。ただ現状では、この腕の形を求めると、構えを「綺麗に纏めた構え」にせざるを得ないので、身体の力が使い切れないということでしょう。

かなり近い形が作れるようになって来たわけです。

つまり、何等かの形で、上の写真のようなスイングを練習する必要も有ると言う訳です。これは「形を整える」意味の練習になります。ポイントとしては、ボトムハンドの引きが出ないようにするため、グリップを(適切な構えの範囲内で)身体の中心寄りに置く事や、始動時の後ろ戻りが起こらないようにすること、さらにヘッドの軽い、そして全体的にも軽いバットを使う(短いバットも良い)、そして、グリップをコックしておく事(ヘッドが立って出やすいように)などです。そうした練習を定期的に行なう事で調子を保ちやすくなると考えられます。

ただ、ポイントは、思いつくままに上に挙げましたが、かならずしもその通りにやる必要が有るということはありません。要するに、ビデオに撮って、その結果、上の写真のようなスイングになる振り方での素振りをしていけば、それで良いと言う事です。

例えば、この素振りも、ポイントが良く押さえられたスイングです。

この少年野球用のバットを使った素振りでも、出来ています。ちなみに、ボトムハンドの引きが小さくなると、手首を捏ねにくくなり、腕が綺麗に伸びるようになります。そうしたあたりに軽いバットを振って練習する意義が有るというわけです。

今回、もう一点気が付いたのが、山下さんの記事で書いた、下図の身体の使い方が、出来るようになって来た事です。少し、身体を分割して使えるようになって来たと思います。これが出来て来た事によって、良い意味でヘッドが投手方向に入り、楽な構えが取れつつあります。この形が出来ると、下半身、上半身ともに楽な構えが出来ますが、このポイントにもっと磨きをかけて行くと良いでしょう。

つまり、タスキラインが引き伸されて後ろ脚股関節が割れる形です。これが出来ると、もちろん左脚左腕(後ろ脚とトップハンド)の力も使えるようになります。


そしてもちろん、それは右投げ左打ちにとって重要なテーマです。ですから、この機会にさらに、そこを磨いて行けば良いと思います。そのためにはまず割れ絞り体操系のストレッチで、出来るだけ深く沈んで、左右の脚の割れと絞りの連動を名一杯使う事です。

これをやると、楽に捻れるようになってくるはずです。注意点としては「バット割れ絞り体操はスイングに若干影響が出る」「沈んだ時、絞った方の脚の膝に少し負担がかかる」などです。

ただ、このラインで身体を分割して使うようになると、構えで自然にヘッドが投手方向に入り、後ろ脚の股関節がゼンマイを巻くように割れて下図のようなラインに体重が流れて来るはずです。これが出来ると構えはだいぶん楽です。

ポイントとしてはもちろん、この体重のラインを拇指球で受け止めない事です。詳しくは山下さんの記事も参考にしてください。

これは前軸にも関わって来るテーマですから、これが出来ると、試合でも巻き戻しが出るようになるかもしれません。パンチャーのオートマチックステップは最も前脚が開きにくい打法なので、それをやる以上、セペダのような走り出しは実現したいところです。

いずれにしても、しばらく、割れ絞りの連動を深くするトレーニングを重視すると良いと思います。そして、後ろ脚股関節を割って、前のラインに体重を流す構えが出来るようになるとヘッドが自然に投手方向に入り、(筋力的に)楽な構えになると思います。これが出来ると、ヘッドの抜けももっと良くなるでしょう。ただ、やりすぎると若干ヘッドが下がって精度が落ちるので、その辺の調整は試合で行なって行く必要があると思います。

※)最終的に構えができた時、「後ろの割れ」とか「前のライン」の一方を意識するとバランスが悪くなります。最後、振る前はその事を忘れる必要があると思います。



素振りを見て、一点だけ気になったのが首が傾き過ぎている事です。そのせいか、軌道もややゴルフ気味です。頸椎は前弯なので、寝かせ過ぎて後弯させると不自然になります。それから頸椎が前弯だと投手方向に捻りやすいですが、後弯だと捻りにくくなります。この事も捻りの深さに関わって来ると思います。

一度、鏡を見て、どのくらいの感覚だと、どのくらいの角度になっているか確認した方が良いでしょう。自分ではちょっと立ってるかなと思っても案外寝ていたりするものです。そのくらいでじゅうぶんです。頸椎が後弯すると、身体を捻りにくくなります。

一方、頸椎が前弯すると、首を投手方向に捻りやすくなります。自分では首が立ってるように感じますが、鏡で見ると充分寝てます。そのへんを一度確認してみてください。

今回は以上です。


2013年9月12日木曜日

分析007

次回の動画投稿は9月19日(木)前後を目安にお願いします。最終期限は9月26日(木)となります。


今回は、良い感じです。

やはり、まずこのくらい(若干荒く見えるくらい)振れて、ナンボと言う感じがします。

今回は、林さんの良いケースの特徴が出ています。それを以下の動画に集めました。


全て、捻りを入れて、肘が挙って、後ろ脚股関節がしっかり割れています。

この状態で構えると、タスキラインが伸びるのでトップハンドの力が使えるし、後ろ脚股関節が割れるので、後ろ脚の力(股関節伸展の力)が使えます。

つまり、左打者の場合は、左脚と左腕の力が使いやすくなると言う事です。これは左の力が弱い、右投げ左打ちの選手にとって重要な事です。右利きの場合は特にそうでしょう。


筋肉と言うのは、鍛えられていない場合、良い意味でも悪い意味でも柔らかいものです。この場合、だいぶ引っ張らないと力を発揮してくれません。ですから例えば、右投げ右打ちの選手が、左打ちに取り組み始めた初期などは、(オートマチックステップの場合)
相当、捻って肘を高く挙げて、後ろ脚股関節を割らないと、身体の力を使い切れないでしょう。実は、これは自分自身でも経験が有ります。左打ちの練習をし始めた時、最初の方は特にそうでした。

しかし、筋肉は鍛えると強くなり、良くも悪くも硬くなっていきます。そうなると、少し引き伸しただけで力を発揮出来るようになります。つまり、硬いゴムと柔らかいゴムの違いです。ですから、これも経験談ですが、最初の方はかなり捻らないと思い切り振れなくても、じょじょに力がついて、筋肉が硬くなってくると、それほど捻らないでも振れるようになります。

ただ、最初から綺麗な形で振ろうとして、捻らなければ、いつまでたっても力がついて行かないと言う事です。

なので、林さんの場合も、もっと振って行くと、時間の経過とともにあまり捻らなくても力が出るようになっていくでしょう。そうした頃に、力強さと形の良さが共存して、打撃フォームが完成の域に達するということです。ただ、それはまだ数年以上後の事だと思います。

いずれにしても、特に、右投げ左打ちの選手にとって、動画のエリック・キャロスのような構えで打つ事は難しいということです。


バリー・ボンズがこの構えで打てるのも、左投げ左打ちの特性が出ていると言えるでしょう。



ただ、試合で捻って打つと打ちにくい場合、練習で捻りを強調したスイングを重視して、試合ではあまり強調しないのも一つの方法です。

例えば、捻って打つ練習を繰り返した後だと、捻らないで構えても、そこそこ力が出るようになっている事がわかります。つまり、捻って名一杯筋肉を使う事で、筋肉が強くなり、硬いゴムに近づき、捻らなくてもパワーが出ると言う変化は一日という短いスパンでも起こる事です。それを日々の練習の中で利用すれば良いのです。

いずれにしても、まだしばらくは、綺麗なまとまった形では身体の力は使い切れないと思います。ですので、基本的にはカルロス・デルガド(右投げ左打ち)のようないかつい感じのフォームでスイングを作って行った方が良いでしょう。最後、試合でどう打つかと言うのは、また少し別の問題です。


肘を挙げる事については、山下さんの記事も参考にしてください。

写真)肘を高く挙げて、後ろ脚に体重を乗せて構える事で、左脚、左腕の力を使う事を重視した、右投げ左打ちのカルロス・デルガドの構え。(もちろん、オートマチックステップの構えでは、左脚には、乗せる事よりも、割る事を重視します。)

今回は以上です。

2013年9月10日火曜日

分析006

次回の動画投稿は9月17日(火)前後を目安にお願いします。最終期限は9月24日(火)となります。







既に、だいぶ林さんの良い時と悪い時のパターンが解って来ましたが、今回は、典型的な悪い方のパターンが見られます。

まず、構えで前脚の膝が開き気味で、そのぶんステップ動作の中で内に入ります。その状態で着地するので、体重を受け止めた時に、前脚が安定せず、勢いに負けて流れます。この結果、回転が先行し、ボトムハンドで引く形になり、振り出す時のバットの角度が横に寝ます。

結果、インパクトでは、ボトムハンド側の肩甲骨が残っていません。こうなると、特に高めを打った場合など、手首を捏ねるようなスイングになり、フィニッシュでバットヘッドが抜ける位置も低くなります。

それに比べて、今回の動画でも9月8日の方は、良いパターンが出ています。

トップで、バットの角度が立っており、そこからボトムハンドで引かずに、ダウン軌道でバットが出て来て、インパクトではボトムハンド側の肩甲骨が残り、フォロースルーでは上半身を捻りながら、高い位置にバットを振り上げています。この形が良い時の形です。

ただ、全体としては、構えで、身体が捻られていない事が最大の問題です。

例えば、ケン・グリフィーJrのように、重心移動が大きく、最初からボトムハンドの引きも使おうと言うような打ち方なら、捻らなくてもパワーは出るでしょう。また、ジェフ・バグウェルのように深くスクワットして、その力をメインに使おうと言うタイプも捻らなくてもパワーは出ます。ジャスティン・モーノウ等も、ある意味、このタイプでしょう。一方、レジー・ジャクソンは、スクワットダウンもそんなに深く無いし、グリフィーのような大きな重心移動も無かったですが、左投げ左打ちで左の力が強ければ、そういう打ち方でもパワーは出るのかもしれません。

しかし、それらに当てはまらない場合、オートマチックステップの構えで、このくらい捻りが浅い(特に両脚の形が同じになっている)と言うのは、難しいです。

パワーだけではありません。

構えで捻りが利いている事によって、腰、肩の間に捻転差が作られます。そうすると、スイングの中でも、腰と肩をずらしながら回転させる事が出来ます。しかし、捻りの小さい構えだと、身体の全部が一枚のドアのように同時に回る傾向が有るので、スイングは遠回りになりがちです。今回の林さんの動画にも、その傾向が有ります。

また、ステップが着地した時に、後ろ脚側の力が残っていないので、上半身だけで振ってるような感じのスイングが目立ちます。

もっと、捻って懐を深い構えを作った方が良いでしょう。そして、これは特に緩いボールを打つ練習で掴みやすい感覚ですが、懐の空間に呼び込んで一気に叩くイメージで打つ事で、身体の後ろ側の力が使えます。

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練習方法としては、肩甲骨の内転、外転のストレッチや、後ろ脚を中心とした割れ絞り体操系のトレーニングを行なうと良いでしょう。肩甲骨のスライドと、後ろ脚股関節で捻りを作る事が出来れば、体幹の面をあまり捕手方向に向けずに、身体を捻る事が出来ます。そうすると、捻っても楽に投手方向を向けるので、身体が捻りやすくなります。そのために、股関節と肩甲骨のストレッチが重要になるわけです。

また、下の写真のように、連続素振りや、捻りを強調した置きティー、素振りによって、左脚、左腕を鍛え、また、使い方の感覚を掴んで行く事が重要です。

上記の連続素振り、捻り強調スイングで、下の写真のような後ろ脚の使い方の感覚を掴んで下さい。


大局的に見ると、今の問題は、右投げ左打ちで、左の力がまだ弱く、さらに左の力を使う練習を重視して来なかった状態で、捻りが浅く、左の力を使えない打ち方をしていると言う所にあります。 これは「今回の問題」と言うより、林さんにとって最大の課題の一つです。

右の引きを利用しない前提の打ち方で、左の力を使う形も作っていないわけですから、今の打ち方は、「じゃあ、何の力を使うの?」と言う状態になっていると言えます。それでも打てるのは、腸腰筋とハムストリングスを鍛えてきたからでしょう。

こうした事を考えると、やるべき事も見えてくると思います。最終的に打つ時には、それほど極端な事をしなくても良いですが、練習の中で強調する事で、感覚を養い、またパワーを鍛えて行く必要が有ると言う事です。

今回は以上です。



2013年9月3日火曜日

分析005

次回の動画投稿は9月10日(火)前後を目安にお願いします。最終期限は9月17日(火)となります。








理由は解りませんが、どうも前脚の膝を内に入れる構えが取れないようです。ステップで前脚の膝が内に入るのを防ごうとしているのでしょうか。あるいは、前脚の膝を内に入れると、股関節の割れが無くなってしまう感覚なのでしょうか。しかし、今回の問題は、そこ(前脚の膝が、構えで開き過ぎ)に出ています。


構えでの捻りは、かなり深くなっています。しかし、これだけ捻っているのに、前脚の膝がこのくらい割れているということは、前脚をかなり開いて(外旋して)構えていると言う事になります。

その結果、前脚股関節の外旋に引っ張られて、後ろ脚の股関節が、早い段階で内旋し、パワーのタメを失っています。

ですから、かなり頑張って捻っているのに、身体の後ろ側(捕手側)の力が使えていません。

これでは、捻った意味が半減してしまいます。これでは、捻ったぶん、負担がかかるので疲れて損をしているだけに等しいと言う状態です。

ですから、打っている動画を見ても、もう一つパワーが出し切れていない状態になっています。

そもそも、捻る事の大きな意味は、下の写真のように、後ろ脚の股関節を割って、絞りのパワーをタメ、タスキラインを引き伸してトップハンドの力をタメる事にあります。ところが、今回のように後ろ脚が直ぐに内旋してしまうと、後ろ脚のパワーが使えなくなります。


この写真では、前の膝がだいぶ内に入ってますが、じゅうぶん股関節は割れています。

構えの写真を見て気になるのは、前足の内側が浮いている事です。ここまで前足をアウトエッジ荷重にしなくても、拇指球が優しく地面に触れている感じで充分、前脚股関節は割れます。ただ、ギュッと拇指球に荷重すると、大腿四頭筋が効くので、いけないということです。

もう一度「両脚股関節を割った上で、前の膝が内、後ろの膝が外のラインを作る」ということを見直してください。

ただ、前肩の動きや後ろ戻りは、だいぶ改善されているので、それは良い点です。


その他の点としては、構えがかなりキツい感じになってしまっています。つまり、股関節の割りとか、胸椎の後弯とかを名一杯にし過ぎて、少し緊張すら感じる状態です。素振りを、投手方向から見た時に、特にそれを感じます。

このくらい、構えを作り込まないと、求めたい感覚にならないということなのかもしれません。

しかし、それであれば、もっと股関節や肩甲骨のストレッチを行なう事で、もっと楽に構えても、今と同じくらいのフィーリングになるようにする必要が有るということです。

3点支持等とも関係の有る話題ですが、股関節を割る事、骨盤を前傾させる事、脊柱のS字を形成する事。。これら個別のテーマを追求する事と、調和の取れた構えを作る事は、完全には一致しません。つまり、調和の取れた構えを作ろうとすれば、それぞれのテーマを95%くらいにする必要が出て来ると言う事です。その95%で充分な効果を得るために、なおさらストレッチ、トレーニングが重要になると言う事です。林さんの場合、レベル的に、そろそろ、そうした事も考えて行った方が良い段階に来ていると言えるでしょう。

つまり、もっと股関節、肩甲骨の運動性を高めることによって、楽に構えて、捻りや、脊柱の彎曲が作れるようにする必要が有るということです。

一般的な野球選手は、股関節を割るとかは考えていないので、足裏がめくれる事はありません。大して割らないでも、下の動画のようなパワーが出るのです。足裏がきちんと地面にフィットしている事の重要性は股関節を割る事の重要性と同じくらい大きなものです。



また、これは、合わなければ今は気にしない方が良いですが、やはりバットのグリップエンドの存在が、身体の良いポジショニングを邪魔していると言う問題は大きいです。この前、傘で何気なく構えを作った時に、強く実感した事ですが、やはりグリップエンドが無いと、手の形が良くなり、その結果、股関節の形から、足裏の形も良くなります。

そうなると、もっと楽に良い構えが作れるかもしれません。

今回は以上です。