2013年9月10日火曜日

分析006

次回の動画投稿は9月17日(火)前後を目安にお願いします。最終期限は9月24日(火)となります。







既に、だいぶ林さんの良い時と悪い時のパターンが解って来ましたが、今回は、典型的な悪い方のパターンが見られます。

まず、構えで前脚の膝が開き気味で、そのぶんステップ動作の中で内に入ります。その状態で着地するので、体重を受け止めた時に、前脚が安定せず、勢いに負けて流れます。この結果、回転が先行し、ボトムハンドで引く形になり、振り出す時のバットの角度が横に寝ます。

結果、インパクトでは、ボトムハンド側の肩甲骨が残っていません。こうなると、特に高めを打った場合など、手首を捏ねるようなスイングになり、フィニッシュでバットヘッドが抜ける位置も低くなります。

それに比べて、今回の動画でも9月8日の方は、良いパターンが出ています。

トップで、バットの角度が立っており、そこからボトムハンドで引かずに、ダウン軌道でバットが出て来て、インパクトではボトムハンド側の肩甲骨が残り、フォロースルーでは上半身を捻りながら、高い位置にバットを振り上げています。この形が良い時の形です。

ただ、全体としては、構えで、身体が捻られていない事が最大の問題です。

例えば、ケン・グリフィーJrのように、重心移動が大きく、最初からボトムハンドの引きも使おうと言うような打ち方なら、捻らなくてもパワーは出るでしょう。また、ジェフ・バグウェルのように深くスクワットして、その力をメインに使おうと言うタイプも捻らなくてもパワーは出ます。ジャスティン・モーノウ等も、ある意味、このタイプでしょう。一方、レジー・ジャクソンは、スクワットダウンもそんなに深く無いし、グリフィーのような大きな重心移動も無かったですが、左投げ左打ちで左の力が強ければ、そういう打ち方でもパワーは出るのかもしれません。

しかし、それらに当てはまらない場合、オートマチックステップの構えで、このくらい捻りが浅い(特に両脚の形が同じになっている)と言うのは、難しいです。

パワーだけではありません。

構えで捻りが利いている事によって、腰、肩の間に捻転差が作られます。そうすると、スイングの中でも、腰と肩をずらしながら回転させる事が出来ます。しかし、捻りの小さい構えだと、身体の全部が一枚のドアのように同時に回る傾向が有るので、スイングは遠回りになりがちです。今回の林さんの動画にも、その傾向が有ります。

また、ステップが着地した時に、後ろ脚側の力が残っていないので、上半身だけで振ってるような感じのスイングが目立ちます。

もっと、捻って懐を深い構えを作った方が良いでしょう。そして、これは特に緩いボールを打つ練習で掴みやすい感覚ですが、懐の空間に呼び込んで一気に叩くイメージで打つ事で、身体の後ろ側の力が使えます。

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練習方法としては、肩甲骨の内転、外転のストレッチや、後ろ脚を中心とした割れ絞り体操系のトレーニングを行なうと良いでしょう。肩甲骨のスライドと、後ろ脚股関節で捻りを作る事が出来れば、体幹の面をあまり捕手方向に向けずに、身体を捻る事が出来ます。そうすると、捻っても楽に投手方向を向けるので、身体が捻りやすくなります。そのために、股関節と肩甲骨のストレッチが重要になるわけです。

また、下の写真のように、連続素振りや、捻りを強調した置きティー、素振りによって、左脚、左腕を鍛え、また、使い方の感覚を掴んで行く事が重要です。

上記の連続素振り、捻り強調スイングで、下の写真のような後ろ脚の使い方の感覚を掴んで下さい。


大局的に見ると、今の問題は、右投げ左打ちで、左の力がまだ弱く、さらに左の力を使う練習を重視して来なかった状態で、捻りが浅く、左の力を使えない打ち方をしていると言う所にあります。 これは「今回の問題」と言うより、林さんにとって最大の課題の一つです。

右の引きを利用しない前提の打ち方で、左の力を使う形も作っていないわけですから、今の打ち方は、「じゃあ、何の力を使うの?」と言う状態になっていると言えます。それでも打てるのは、腸腰筋とハムストリングスを鍛えてきたからでしょう。

こうした事を考えると、やるべき事も見えてくると思います。最終的に打つ時には、それほど極端な事をしなくても良いですが、練習の中で強調する事で、感覚を養い、またパワーを鍛えて行く必要が有ると言う事です。

今回は以上です。



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