2013年10月22日火曜日

分析016



この前の練習でやった事が活かされていません。

林さんの一番の問題点が、打つ動きの中で全体的に「身体に軸が通っていない」事です。
身体の中心から力を発揮して、それを末節部にスムーズに伝えるような身体の使い方は出来ています。良い意味での柔らかさが有るという事です。ただ、芯が通っていない感じなので、全体にただ柔らかいだけのようになってしまっているわけです。それで前回はスクワットダウンなどの練習を多用したわけです。

さらに、悪循環が生まれています。

動きが柔らかい→揺らぎでよく動く。手もバットも動く。→結果的に(逆に)腕が緊張して上手く使えない。

という悪循環です。

まず、揺らぎから打ちに行くときの感覚。これをラボでやっているような感じで一球一球大切にして打ってください。


手を止める事を意識する必要はありません。この点は若干の理論変更です。身体の動きを止めても、完全に止めると一部の筋肉に負担が集中するため、無意識で、あちこちの筋肉に(体重を支える)役割が転移する事によって微妙な揺れ(無意識の揺れ)が起きるので、それを受けてバットも微妙に動きます。ですから無理に止めようとすると不自然になります。前脚の足踏みを止めた後、最後の瞬間の話です。そこでは「止まるのでも無く、揺らぐのでも無い。ただ単に揺らぐのを止める。それでも身体が勝手に微妙に揺れている」この感じを掴んでください。

ただ、現状では基本的に揺らぎ過ぎで、それが悪影響を生んでいます。もう少し、揺らぎから打ちに行く間を丁寧に考える必要が有ります。そして身体の中心軸がしっかり決まって、ドッシリ安定した感じから振れるようにする必要が有ります。

ステップが改善されてきた点、構えでの脚の形、巻き戻しが起きる点、スイングの力が一点に集約されている点は良いです。

2013年10月19日土曜日

分析015





まず、試合の動画の最後の空振り。このような空振りだけは、「よほどの事が無い限り、あり得ない」という状況を作って行きましょう。それにつきます。

このように前脚をスイングと同時の後ろに振り回すスイングは、私の理論、今までの取り組みとも相反するものです。もちろん、パンチャータイプのメカニズムに合わないという事です。

それが現実の厳しさとは言え、試合でのこうしたスイングを見せられて、私としては今までの林さんに対する取り組みを ”ちゃぶ台返し” のごとく根底から引っくり返された気がしてショックを受けています。(笑)

ラボで行ったソフトボールバットでの新聞紙打ち。あのスイングが試合で出来れば、たとえ、打てなくても、間違いなく、注目を浴びますし、相手から見ても脅威です。今、正直、自分自身、林さんの何打数何安打という結果に一喜一憂している状態ですが、それはまだ、そうした「スイングそのもので他を圧倒出来るレベル」に達していないからです。それが目指している境地だと言う事をまず再確認しておきます。

その上で、前述のようなスイングになる原因を箇条書きにしておきますから、それを潰して行く方向で取り組んで行ってください。

0)前提として、バットを振る時は常に巻き戻しの動きがきちんと起きているようにする。

1)揺らぎで腕を動かしすぎると、上半身の筋肉が緊張して、腕で振りに行く事になる。腕で振りに行くと、スイングのための基盤としての前脚軸が構築される前に上半身が回転してしまうので、前脚が開きやすい。そのため、揺らぎから打ちに行く間を1スイング毎に大切に考える(アンドリュー•ジョーンズみたいな感じ)

2)スクワットダウンした状態からのスイング。高重心でバットを立てた構えからのスイングをする事で、身体の中心から力を発揮する感覚を掴み、また、その力を強化していく。そしてその動きを身体にしみ込ませる。そうすると(1)の問題も解消するので前脚が開きにくい。

3)高重心で捻り、クラウチングを強調した構えを作り、そこからのスイングをする事で、巻き戻しの動き(前脚が開かず、バットを戻しながら後ろ脚がホームベース側に着地する)を身体に覚え込ませる。

4)前脚股関節が割れた状態で着地出来るようにする事で、前脚股関節の絞り動作を上手く使えると前脚が開きにくい。なので、そのための練習を行う「両手の間隔を開けての揺らぎ体操スイング」や、「すり足打法のステップとシャドースイングの繰り返し」など。

5)前脚股関節の割れたステップでパワーを発揮出来るためには、左脚の力と機能性を強化する必要と、スクワットした状態からスイングする力を強化する必要が有る。

6)着地した前脚に体重が乗るための構えのポイントを確認する。(タスキラインから前足着地点に至るライン)(頭が前に来るバランス)

7)構えでバットの重さを感じないように、バットが軽く感じられるようにしていく(鍛えて行く)必要が有る。

8)始動を遅くして呼び込めるように、呼び込んで打つ練習をする。

なんとかして、下の動画のようなフィニッシュ〜走り出しの流れを身につけたいものです。






2013年10月14日月曜日

分析014

次回の動画投稿は10月21日(月)前後を目安にお願いします。最終期限は10月28日(月)です。



この動画のファールの打ち方は前よりは良いです。前脚は開いているものの、バットは戻ってきているからです。

とにかく、瞬発的に爆発する感じが大切です。それが出来れば前軸も効いてきます。

この打ち方は、普通にバットを振って打つ感覚が無くなって本物です。
打つんじゃ無くて爆発する感じです。

バットを振って打とうとしている間は、自転車で言うと補助輪を付けて走ってるのと同じです。それを全て無意識に任せて「意識の補助輪を外す」事が大切なのです。つまり、オートマチックの世界に身体を投げ出すという事です。それが、今回は前よりは出来ています。後は、爆発しに行った中で、遅いボールに抜かれた時の対応が重要になります。このとき、意識的に手を操作する感覚も生じますが、それはあくまでも補助輪を外した後の事です。

感覚的には「勝手に爆発する」感じですが、それが起きる原因はやはり意識的に打ちに行った結果なので、へんに力を爆発させるとか抽象的な事は考えずに、あくまでバットでボールを打ちに行く意識が重要です。ただ、そのときに生じる感覚が「爆発」なのです。大きな爆発でも、正確なピンポイントの爆発でも、それはどっちでも良いです。

もっと簡単に言うと、一度、運を天に任せて思い切り打ちに行った後で、どこまで反応で誤差を修正出来るかという事です。

これを最初から全部計算通りに打とうとしてしまうと、打てるものまで打てなくなってしまいます。一度、運を天に任せてこそ、「反応」が使えるようになります。その「反応」を身体に覚え込ませるのも、一つの練習なのです。この「反応」を決して計算で再現しようとしない事が大切です。

そういうテーマで打撃練習(フリー打撃)をすると良いと思います。

そういうスイングさえ出来ていれば、おのずと周囲の打者とはスイングのレベルが違ってくるので、私としては林さんの結果は気になりません。

ただ、まだ打ってから走る姿が、普通の日本人打者と同じなのが気になるわけです。これをなんとか、巻き戻してから走り出す感じにしていかないと、パンチャーでは威力を発揮しきれません。それが出来るようになるためのポイントを前回は挙げたのであって、それは今回もだいたい同じです。

タスキラインの両端の筋肉が引きつけ合うメカニズム上、前脚を開くわけにはいかないのです。そして、それができれば、おのずと巻き戻しが起こります。ここを最重視してください。

いずれにしても、前回よりは良いので、この調子で行ってください。

ポイントは
★スクワットダウンした構えからの瞬発的なスイング
★腕脱力スイングで身体の芯からの力を一気に使う
★巻き戻して終わる事の徹底と、そのための(クラウチング&捻り)素振り
★引きつけて一気に打つ練習

などです。

今回は以上です。






2013年10月9日水曜日

分析013

次回の動画投稿は10月16日(水)前後を目安にお願いします。最終期限は10月23日(水)です。


まずは結果が出たようで安心しました。



結果については、最近は3塁打が出たりなどして、そこそこ出ているようなので、それはそれで良いと思います。

ただ、もっとも気になるのは、空振りの仕方とか、打ってから走り出すまでの動きです。つまり、バットを振り切る前に前脚が外れてしまってい、巻き戻す動きにならない事です。

この点に関しては、それこそ2005年以降、自分の理論を実践する人たちの動画を見るようになったときに最初に突き当たった壁です。つまり、結局、最後の所で前脚を開いてしまっては、今までの日本人の打ち方と同じになってしまうと言う事です。オートマチックステップでは、最後に巻き戻しが出来て、なんぼです。なので、細かい技術よりもまずはそこを重視して取り組んでほしいと思います。やり方、ポイントは以下の通りです。

1)やや重心の低い構えで、やや遅め(引きつけるイメージが持てる球速なら、それで良いです)の球を思い切り引きつけて、瞬発力で打つ練習をする。

※)(1)いついては、スクワットダウンして打つ置きティーでも良いですが、いずれにしてもドッシリした構えから瞬発的に始動する感覚を重視する練習という事です。

2)腸腰筋、ハムストリングスのトレーニングを重視する。(腰反り系腸腰筋トレと、スクワット系を組み合わせる)

3)素振り、フリー打撃に関わらず、巻き戻して終わる事を徹底する。(前脚が割れないで、後ろ脚がホームベース方向に着地する終わり方になるようにしてください。)

4)クラウチングと捻りを強調するなど、巻き戻しが出やすい構えから振る練習をして、巻き戻しの感覚を磨いて行く。

5)打った後に3塁に走ると、どういう動作になるのかという事を実験する。

ラボでの練習で、あそこまで巻き戻しが出るようになった状態で、試合になった時に、そうならないと言うのは、ある意味、自分の甘さを痛感させられた気もします。確かに、黒人の身体機能に近づくという事などに関して、まだまだと思う部分もあったにせよ、かなり出来るようになってきた(ある部分では自分の中で一番出来ていた時期よりも強くなった)と思っていた所なのですが、その「まだまだ」と思ってきた部分を、厳しく見せつけられた気もします。

その一方、この動画のホセレイエスJr君のように、その辺があっさり出来ているケース(特に2球目のファールチップの打ち方)を見ると、右打者と左打者の違いも含めて、何か他に原因が有るのかなとも思ったりします。


それが(5)につながっているわけです。練習では出来ても、グラウンドに立って打席に入ると、条件反射的に動きが決まって来るという「今までの習慣」が原因になっているという考えも(たぶん、それは無いとは思いつつも)捨てきれません。

ただ、基本的には、オートマチックステップの最も重要なポイントである、腸腰筋、ハムストリングスの効いた構えから、瞬発的に始動すると言う事が出来ているかどうかです。おそらく、試合になると、始動してからスイングするまでの間の「ブレ」が練習とは比べ物にならないので、その事が練習のように巻き戻しを出にくくしているのでは無いかと思います。

この動画のホセレイエスJr君(最初の反応置きティー)を見てください。こういう感じで打てると、試合でも前軸がキープ出来て、巻き戻しが出来るという事です。ここに最大のヒントが有ると思います。腸腰筋、ハムストリングスと、重心を下げた構えからの瞬発的な始動をポイントに挙げているのは、そのためです。



なんとか、大学在学中に、チュ•シンスくらいの感じ(前軸の効き方という意味で)にはしたい所です。




練習メニューを提案しておきます。「さらに黒人化を進める」「身体の芯からの力を使えるようにする」「巻き戻して終わる事の徹底」というのがメインテーマです。

1)大の字腸腰筋ストレッチ〜股割りの繰り返し〜股関節を割り、ドッシリ腰を落とした状態からのスイング(置きティー)
3)上半身脱力スイング(山下さんに聞いてください)
4)揺らぎ体操スイング置きティー(山下さんに聞いてください)
5)普通のスイング
6)大の字腸腰筋ストレッチ〜股割りの繰り返し〜股関節を割り、ドッシリ腰を落とした状態からのスイング(置きティー)
7)高重心+捻り+クラウチングスイング
8)普通のスイング

今の林さんにメニューを組むとすれば、こうなります。いずれにしても、試合の中で巻き戻して終われるようになってください。

なお、最新の試合の動画では、股関節があまり割れていないです。

今回は、以上です。


2013年10月3日木曜日

分析012

次回の動画投稿は10月10日(木)前後を目安にお願いします。最終期限は10月17日(木)です。


いい芽も出てきましたが、全て解決したわけでは有りません。という状況です。

まず一番気になるのが、腰を反って、そこから股関節で身体を折って構えを作るとき、捻りを入れて、前脚の膝を内にたたみます。ここまでは良いです。

ただ、その後、前の膝をたたみっぱなしで、前脚股関節の割れが潰れがちになっています。(ただ、誤解してほしくない点として、膝の内に入り具合はこんな感じで良いです。)

それではどうすれば良いのかというと、ここで揺らぎを利用してやるわけです。

前脚だけで8の字揺らぎ体操をした事を思い出してください。あの要領で、股関節で身体を折った後に、前脚のトントン(よく見ないと気がつかないくらい、小さな動きでも良いです)を使い、前脚で体重を受け止める動きを利用し(膝を内に畳んだ角度をキープしながらも)前脚股関節が割れている状態を作ってやるわけです。これが出来ると、もっと、前脚が割れ気味に挙り、着地した時の前脚がもっと割れてくると思います。


このカルロス•リーの動画の最後の方にある、横からの映像のような前脚の上がり方になってくるはずだと言う事です。



つまり、下図の「二段階構え作り法」のうち、段階1は上手く使えていますが、段階2が使えていないという事です。(上半身が緊張しない範囲内で)もう少し揺らぎを上手く使ってやると良いでしょう。


それともう一点は一部、だいぶ頭を投手寄りにおいている動画もありますが、そこはそんなに(少なくとも打つ時には)無理をして作る必要も無いと思います。

また、前脚股関節の絞りがスイングの中で効くようになっているのは良い点です。ただ、その新しい体幹部の動きに、まだ上半身のハンドワークがなじんでいない印象を受けました。これがもっと馴染んでくると、安定感が出て来ると思います。

冒頭の動画の最後のスイングも良いですが、いい感じで巻き戻しが出るようになってきたのも、前脚股関節の絞りが使えてきたからでしょう。それはラボで行ったトレーニングの効果も有るかもしれませんが、前脚の膝が内に入る動きがだいぶ消えてきたのが原因でしょう。

ただ、基本、後ろ戻りは左脚の力が右脚よりも弱いから起きるという可能性が非常に高いです。ですから「左脚を重視したバット割れ絞り体操」→「左脚を割った状態からの割れ絞りパンチ」→「(可動域は小さめで)リズミカルな左脚での割れ絞り体操」と言った順番で、スイングの準備体操とするのも良い方法だと思います。あくまで疲労が出ない範囲で実技の前に身体を動かすと、そこが使えます。

そしてまた、もちろん、普段のトレーニングでは、そこを重視していくと良いでしょう。これによって、重心の後ろ戻りが無くなれば、それだけ始動するタイミングを遅く設定出来るので、投手との対応関係上でも有利になるからです。

とりあえず、試合に向けては、以下のポイントを磨いて行けば良いと思います。

1)もちろん、振る力を維持していく
2)前の膝が内、後ろの膝が外の両脚のラインをモノにしていく
3)新しい構えの作り方に慣れる
4)後ろ脚の機能性とパワーを向上させていく
5)当然、腸腰筋は効いた状態に保つ

それに加えて、後は自分自身で課題を見つけて行けば良いと思います。

2013年10月1日火曜日

分析011



今回は、今後しばらくの間、メインテーマとなる改善のロードマップが見えた意味で大きかったと思います。そのロードマップについては以下の通りです。

(1)構えで(両脚股関節が割れた上で)前脚の膝が内に入る形を作る。

(2)構えで前脚の膝が内に入る事で、始動時の後ろ戻りと、ステップの中で前脚の膝が内に入る動きが無くなる。

※(2)の結果として、始動からインパクトが速くなり、そのぶん、始動のタイミングを遅らせる事が出来るようになる。

(3)前脚股関節が割れた状態で着地出来るようになる。

(4)前脚股関節の割れ〜絞りが上手く使える。

(5)前脚股関節の絞りが使える事でスイングがタイトになる。

(6)前脚軸が効くので、試合でも巻き戻しが出来るようになる。

※)結果としては、スイングがタイト(≒インサイドアウト)になり、インハイと高めの速球に強くなる。(その結果、始動のタイミングを遅らせる事が出来る。)また、試合でも巻き戻しが出来るようになるし、始動時の後ろ戻りが無くなれば、それも始動のタイミングを遅らせる上で有利に働く。

また、今回、新しくお伝えした技術、重視した技術は以下の通りです。

(1)正しい両脚のライン(割れたうえで膝の向きが違う)

(2)後ろ脚を割り、前のラインに体重を流し、それを前脚のアウトエッジ側で受ける構えでの立ち方

(3)ボトムハンドで下から支え、トップハンドで上から掴むための上半身の形

(4)試合などにも適用出来る構えの作り方

(5)正しい首の角度

(6)グリップを余らして、両手を密着させない事で、構え全体を良くする

ただ、現在行われている試合の中で、結果を出す事と、上記の内容を追求していく事は、完全に一致する必要は有りません。(一致するに超した事は無いですが。)試合で、その時々で最も結果が出る打ち方は、刻一刻と変化するので、その時々での柔軟な対応が必要になります。その事については理解した上で試合に臨んでください。

なお、今回の練習の中で気がついた事は以下の点です。

(1)長いスパンで見ると、やはり右投げ左打ちに特有の課題として、左脚と左腕の力を使えるようにしていく必要が有る。そのためには、短く重いバットを使って捻りを深く取った構え(捻る事で後ろ脚股関節が大きく割れて、タスキラインが引き伸ばされる)からスイングする練習が重要になる。

(2)バットを回してから振る練習の中で、スイングのキレが増していた。これも長いスパンで考えた時、スイングのしなやかさと身体のキレを保つために必要となる練習と考えられる。

(3)腰を反って腸腰筋をストレッチした後、クラウチングの構えを取ると、アウトコース低めを上手く拾えそうなスイングになった。この辺は、今回新しく行った構えの作り方を取り入れていく事で恒常化できるかもしれない。

(4)後ろ戻りのそもそもの原因として、左脚よりも右脚の方が力が強いという事も考えられるので、左脚のトレーニングを重視した方が良い。

(5)左でも右と同じような捻り方が出来るようになるために、割れ絞り系の体操を行い、身体を捻って左脚股関節を割る形を練習していく必要が有る。(深く割って、可動域を少しでも拡げていく)

(6)前脚股関節を割った状態からパンチを打つ体操をやってもらった時、左脚と右脚の機能差が大きく見られました。左脚の機能性が低ければ、始動時に後ろ戻りが起きる原因にもなり得ます。バット割れ絞り体操で左脚メインにするやり方等を行って左脚の機能性を高めて行くと良いでしょう。始動時の後ろ戻りが有ると、始動してからインパクトまでの時間が長くかかる事になり、そのぶん早く反応する必要が生じるので、投手との対応関係上も不利になります。



2013年9月28日土曜日

分析010

次回の動画投稿は10月5日(土)前後を目安にお願いします。最終期限は10月12日(土)です。



前回よりは捻りが入ってヘッドが投手寄りで抜けています。しかし、その反面、スイングにタイトさがなくなってしまっています。(特に巻き戻しで、腕がグニャっとなってバットがブランとなる感じ)

結果云々も大切ですが、基本も大切なので、今回は、それを書きます。

つまり、パンチャータイプのオートマチックステップとして「出来ていなければならない必須のポイント」が有るとすると、まだ、不十分である部分が有るという事です。

それは

(1)「前軸が効いて、巻き戻しが強く出せる」
(2)「タイトなスイングが出来る」

という二点です。相互に関わりがあると見られますが、(1)は日本人が特に苦手とする動きで、(2)は右投げ左打ちの選手が苦手とする事が多いポイントです。

そこで、下の動画を見てください。


私の場合は右投げ右打ちで、しかも腸腰筋トレーニングをだいぶやったので、その二つについては出来ています。(もちろん、他には、いろいろと問題が有りますが。)

試合では投手がマウンドの上から投げてくる分、アゴが上がりやすいですし、タイミングのブレもあって、もう少し巻き戻しは弱くなると思います。しかし、フリー打撃なら、このくらいは巻き戻せる必要が有ります。

右投げ左打ちでも、ジャスティン•モーノウやフレディー•フリーマンのように、タイトなスイングが出来る打者はいるので、出来ない事は無いはずです。

フレディ•フリーマン



ある程度、振れてきて、技術的にも安定してきた今の段階で、もう一度、オートマチックステップの数々のポイントの中で「何が出来ていないか」という事を箇条書きにしておきます。

(1)「前軸が効いて、巻き戻しが強く出せる」
(2)「タイトなスイングが出来る」
(3)「両脚股関節が割れた上で前の膝が内、後ろの膝が外のラインを作る」
(4)「始動時に後ろに戻ったり、前の膝が内に入ったりなどのクセを無くす」
(5)「ボトムハンドの引きが小さいスイングが出来る」
(6)「高めに被せるようにバットが出せる」

このあたりのポイントについて、これからの課題としていくと良いと思います。逆に出来るようになってきた事もあります。それは「始動時の下半身の力が使える」「骨盤が前傾し、脊柱のS字カーブの効いた構えが作れる」「前脚股関節の伸展を使って背中に反りが出来て、前足の設地点から頭が一本のラインになるスイングが出来る」「股関節伸展の効いた、腰を突き出すスイングが出来る」などです。巻き戻しもだいぶ出るようになってきましたが、まだまだ、もっと強くしていく必要が有ります。そして、試合では空振りした場合は右打者と同じ巻き戻しの動きになり、打った場合はホームベース方向に後ろ脚を踏み出してから走り出すスイングが出来るようにしていく必要が有ります。

ただ、今はシーズン中なので、とりあえず上記の事を気にしすぎずに、打ちやすいように打つのが一番大切な事です。特に極めようとし出すと難しい打ち方ですが、本来は一番簡単な打ち方でも有るので、出しやすい位置にバットを置いて、そこから打つだけにした方が良いでしょう。全部やろうとすると逆に打てなくなります。

細かいポイントは、今までの練習によって身体が憶えているという事にして、試合の中では「構えた位置からバットを出すだけ」という、オートマチックステップの根本に立ち返る事が大切です。

強いて言うなら、構えを作るとき、もう少し腸腰筋をストレッチする習慣を付けた方が良いです。打つ事に集中しだすと忘れがちになりますが、腸腰筋をストレッチした後にその反動で股関節を折った時、胸椎が後弯し、膝が緩んでハムストリングスが効いた感じを確認してから構えを作るようにする事を忘れがちなようです。



その辺は、山下さんの記事にも書いています。(2)から(3)にかけては揺らぎで重心を下げながら微調整すると言う意味です。全部揺らぎで下げたり、直線的に腰を落とすのは良く有りません。

今回は以上です。

2013年9月26日木曜日

分析009



今回の動画はあまり良いパターンとは思えませんが、結果を出さなければならない時期なので、結果が出るようなスイングをしたら良いと思います。

一応、どこを見て「良いパターンでは無い」と思ったかというと、前回の良いケースでは捻りが効いていた結果、懐が身体の中心よりややキャッチャー側に出来ており、そのぶん、ヘッドが投手寄りのポイントで抜けてくれていたからです。一方、今回の場合、あまり捻りが利いておらず、懐が身体の中心近くに出来ている感じで、ヘッドの抜けがもう一つであるように見えます。このへんは、飛距離などに影響してくると思いますが。

今回は以上です。

2013年9月19日木曜日

分析008

次回の動画投稿は9月26日(木)前後を目安にお願いします。最終期限は10月3日(木)です。


今回はかなり良い感じです。やはり今の林さんの状態だと、このくらい捻って肘を挙げた方が身体の力は引き出せると言う事でしょう。とりあえず、フリー打撃は、このような感じで行なうのが一番良いと思います。ただ、このように捻って後ろ脚股関節を割り、肘を大きく挙げると、ヘッドの抜けは良くなりますが(前方で抜けるようになる。良い意味で前で打つ事が出来る)その反面、ボトムハンドの引きが強くなります。今回の動画でも、インパクトではボトムハンド側の肩甲骨はあまり残っていません。

なので、このスイングだけを続けていくと、調子が悪くなる可能性も有ります。一方、下の写真はあまり捻っていない構えからのスイングで、腕の形自体は、かなり理想型に近いものになっています。ただ現状では、この腕の形を求めると、構えを「綺麗に纏めた構え」にせざるを得ないので、身体の力が使い切れないということでしょう。

かなり近い形が作れるようになって来たわけです。

つまり、何等かの形で、上の写真のようなスイングを練習する必要も有ると言う訳です。これは「形を整える」意味の練習になります。ポイントとしては、ボトムハンドの引きが出ないようにするため、グリップを(適切な構えの範囲内で)身体の中心寄りに置く事や、始動時の後ろ戻りが起こらないようにすること、さらにヘッドの軽い、そして全体的にも軽いバットを使う(短いバットも良い)、そして、グリップをコックしておく事(ヘッドが立って出やすいように)などです。そうした練習を定期的に行なう事で調子を保ちやすくなると考えられます。

ただ、ポイントは、思いつくままに上に挙げましたが、かならずしもその通りにやる必要が有るということはありません。要するに、ビデオに撮って、その結果、上の写真のようなスイングになる振り方での素振りをしていけば、それで良いと言う事です。

例えば、この素振りも、ポイントが良く押さえられたスイングです。

この少年野球用のバットを使った素振りでも、出来ています。ちなみに、ボトムハンドの引きが小さくなると、手首を捏ねにくくなり、腕が綺麗に伸びるようになります。そうしたあたりに軽いバットを振って練習する意義が有るというわけです。

今回、もう一点気が付いたのが、山下さんの記事で書いた、下図の身体の使い方が、出来るようになって来た事です。少し、身体を分割して使えるようになって来たと思います。これが出来て来た事によって、良い意味でヘッドが投手方向に入り、楽な構えが取れつつあります。この形が出来ると、下半身、上半身ともに楽な構えが出来ますが、このポイントにもっと磨きをかけて行くと良いでしょう。

つまり、タスキラインが引き伸されて後ろ脚股関節が割れる形です。これが出来ると、もちろん左脚左腕(後ろ脚とトップハンド)の力も使えるようになります。


そしてもちろん、それは右投げ左打ちにとって重要なテーマです。ですから、この機会にさらに、そこを磨いて行けば良いと思います。そのためにはまず割れ絞り体操系のストレッチで、出来るだけ深く沈んで、左右の脚の割れと絞りの連動を名一杯使う事です。

これをやると、楽に捻れるようになってくるはずです。注意点としては「バット割れ絞り体操はスイングに若干影響が出る」「沈んだ時、絞った方の脚の膝に少し負担がかかる」などです。

ただ、このラインで身体を分割して使うようになると、構えで自然にヘッドが投手方向に入り、後ろ脚の股関節がゼンマイを巻くように割れて下図のようなラインに体重が流れて来るはずです。これが出来ると構えはだいぶん楽です。

ポイントとしてはもちろん、この体重のラインを拇指球で受け止めない事です。詳しくは山下さんの記事も参考にしてください。

これは前軸にも関わって来るテーマですから、これが出来ると、試合でも巻き戻しが出るようになるかもしれません。パンチャーのオートマチックステップは最も前脚が開きにくい打法なので、それをやる以上、セペダのような走り出しは実現したいところです。

いずれにしても、しばらく、割れ絞りの連動を深くするトレーニングを重視すると良いと思います。そして、後ろ脚股関節を割って、前のラインに体重を流す構えが出来るようになるとヘッドが自然に投手方向に入り、(筋力的に)楽な構えになると思います。これが出来ると、ヘッドの抜けももっと良くなるでしょう。ただ、やりすぎると若干ヘッドが下がって精度が落ちるので、その辺の調整は試合で行なって行く必要があると思います。

※)最終的に構えができた時、「後ろの割れ」とか「前のライン」の一方を意識するとバランスが悪くなります。最後、振る前はその事を忘れる必要があると思います。



素振りを見て、一点だけ気になったのが首が傾き過ぎている事です。そのせいか、軌道もややゴルフ気味です。頸椎は前弯なので、寝かせ過ぎて後弯させると不自然になります。それから頸椎が前弯だと投手方向に捻りやすいですが、後弯だと捻りにくくなります。この事も捻りの深さに関わって来ると思います。

一度、鏡を見て、どのくらいの感覚だと、どのくらいの角度になっているか確認した方が良いでしょう。自分ではちょっと立ってるかなと思っても案外寝ていたりするものです。そのくらいでじゅうぶんです。頸椎が後弯すると、身体を捻りにくくなります。

一方、頸椎が前弯すると、首を投手方向に捻りやすくなります。自分では首が立ってるように感じますが、鏡で見ると充分寝てます。そのへんを一度確認してみてください。

今回は以上です。


2013年9月12日木曜日

分析007

次回の動画投稿は9月19日(木)前後を目安にお願いします。最終期限は9月26日(木)となります。


今回は、良い感じです。

やはり、まずこのくらい(若干荒く見えるくらい)振れて、ナンボと言う感じがします。

今回は、林さんの良いケースの特徴が出ています。それを以下の動画に集めました。


全て、捻りを入れて、肘が挙って、後ろ脚股関節がしっかり割れています。

この状態で構えると、タスキラインが伸びるのでトップハンドの力が使えるし、後ろ脚股関節が割れるので、後ろ脚の力(股関節伸展の力)が使えます。

つまり、左打者の場合は、左脚と左腕の力が使いやすくなると言う事です。これは左の力が弱い、右投げ左打ちの選手にとって重要な事です。右利きの場合は特にそうでしょう。


筋肉と言うのは、鍛えられていない場合、良い意味でも悪い意味でも柔らかいものです。この場合、だいぶ引っ張らないと力を発揮してくれません。ですから例えば、右投げ右打ちの選手が、左打ちに取り組み始めた初期などは、(オートマチックステップの場合)
相当、捻って肘を高く挙げて、後ろ脚股関節を割らないと、身体の力を使い切れないでしょう。実は、これは自分自身でも経験が有ります。左打ちの練習をし始めた時、最初の方は特にそうでした。

しかし、筋肉は鍛えると強くなり、良くも悪くも硬くなっていきます。そうなると、少し引き伸しただけで力を発揮出来るようになります。つまり、硬いゴムと柔らかいゴムの違いです。ですから、これも経験談ですが、最初の方はかなり捻らないと思い切り振れなくても、じょじょに力がついて、筋肉が硬くなってくると、それほど捻らないでも振れるようになります。

ただ、最初から綺麗な形で振ろうとして、捻らなければ、いつまでたっても力がついて行かないと言う事です。

なので、林さんの場合も、もっと振って行くと、時間の経過とともにあまり捻らなくても力が出るようになっていくでしょう。そうした頃に、力強さと形の良さが共存して、打撃フォームが完成の域に達するということです。ただ、それはまだ数年以上後の事だと思います。

いずれにしても、特に、右投げ左打ちの選手にとって、動画のエリック・キャロスのような構えで打つ事は難しいということです。


バリー・ボンズがこの構えで打てるのも、左投げ左打ちの特性が出ていると言えるでしょう。



ただ、試合で捻って打つと打ちにくい場合、練習で捻りを強調したスイングを重視して、試合ではあまり強調しないのも一つの方法です。

例えば、捻って打つ練習を繰り返した後だと、捻らないで構えても、そこそこ力が出るようになっている事がわかります。つまり、捻って名一杯筋肉を使う事で、筋肉が強くなり、硬いゴムに近づき、捻らなくてもパワーが出ると言う変化は一日という短いスパンでも起こる事です。それを日々の練習の中で利用すれば良いのです。

いずれにしても、まだしばらくは、綺麗なまとまった形では身体の力は使い切れないと思います。ですので、基本的にはカルロス・デルガド(右投げ左打ち)のようないかつい感じのフォームでスイングを作って行った方が良いでしょう。最後、試合でどう打つかと言うのは、また少し別の問題です。


肘を挙げる事については、山下さんの記事も参考にしてください。

写真)肘を高く挙げて、後ろ脚に体重を乗せて構える事で、左脚、左腕の力を使う事を重視した、右投げ左打ちのカルロス・デルガドの構え。(もちろん、オートマチックステップの構えでは、左脚には、乗せる事よりも、割る事を重視します。)

今回は以上です。

2013年9月10日火曜日

分析006

次回の動画投稿は9月17日(火)前後を目安にお願いします。最終期限は9月24日(火)となります。







既に、だいぶ林さんの良い時と悪い時のパターンが解って来ましたが、今回は、典型的な悪い方のパターンが見られます。

まず、構えで前脚の膝が開き気味で、そのぶんステップ動作の中で内に入ります。その状態で着地するので、体重を受け止めた時に、前脚が安定せず、勢いに負けて流れます。この結果、回転が先行し、ボトムハンドで引く形になり、振り出す時のバットの角度が横に寝ます。

結果、インパクトでは、ボトムハンド側の肩甲骨が残っていません。こうなると、特に高めを打った場合など、手首を捏ねるようなスイングになり、フィニッシュでバットヘッドが抜ける位置も低くなります。

それに比べて、今回の動画でも9月8日の方は、良いパターンが出ています。

トップで、バットの角度が立っており、そこからボトムハンドで引かずに、ダウン軌道でバットが出て来て、インパクトではボトムハンド側の肩甲骨が残り、フォロースルーでは上半身を捻りながら、高い位置にバットを振り上げています。この形が良い時の形です。

ただ、全体としては、構えで、身体が捻られていない事が最大の問題です。

例えば、ケン・グリフィーJrのように、重心移動が大きく、最初からボトムハンドの引きも使おうと言うような打ち方なら、捻らなくてもパワーは出るでしょう。また、ジェフ・バグウェルのように深くスクワットして、その力をメインに使おうと言うタイプも捻らなくてもパワーは出ます。ジャスティン・モーノウ等も、ある意味、このタイプでしょう。一方、レジー・ジャクソンは、スクワットダウンもそんなに深く無いし、グリフィーのような大きな重心移動も無かったですが、左投げ左打ちで左の力が強ければ、そういう打ち方でもパワーは出るのかもしれません。

しかし、それらに当てはまらない場合、オートマチックステップの構えで、このくらい捻りが浅い(特に両脚の形が同じになっている)と言うのは、難しいです。

パワーだけではありません。

構えで捻りが利いている事によって、腰、肩の間に捻転差が作られます。そうすると、スイングの中でも、腰と肩をずらしながら回転させる事が出来ます。しかし、捻りの小さい構えだと、身体の全部が一枚のドアのように同時に回る傾向が有るので、スイングは遠回りになりがちです。今回の林さんの動画にも、その傾向が有ります。

また、ステップが着地した時に、後ろ脚側の力が残っていないので、上半身だけで振ってるような感じのスイングが目立ちます。

もっと、捻って懐を深い構えを作った方が良いでしょう。そして、これは特に緩いボールを打つ練習で掴みやすい感覚ですが、懐の空間に呼び込んで一気に叩くイメージで打つ事で、身体の後ろ側の力が使えます。

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練習方法としては、肩甲骨の内転、外転のストレッチや、後ろ脚を中心とした割れ絞り体操系のトレーニングを行なうと良いでしょう。肩甲骨のスライドと、後ろ脚股関節で捻りを作る事が出来れば、体幹の面をあまり捕手方向に向けずに、身体を捻る事が出来ます。そうすると、捻っても楽に投手方向を向けるので、身体が捻りやすくなります。そのために、股関節と肩甲骨のストレッチが重要になるわけです。

また、下の写真のように、連続素振りや、捻りを強調した置きティー、素振りによって、左脚、左腕を鍛え、また、使い方の感覚を掴んで行く事が重要です。

上記の連続素振り、捻り強調スイングで、下の写真のような後ろ脚の使い方の感覚を掴んで下さい。


大局的に見ると、今の問題は、右投げ左打ちで、左の力がまだ弱く、さらに左の力を使う練習を重視して来なかった状態で、捻りが浅く、左の力を使えない打ち方をしていると言う所にあります。 これは「今回の問題」と言うより、林さんにとって最大の課題の一つです。

右の引きを利用しない前提の打ち方で、左の力を使う形も作っていないわけですから、今の打ち方は、「じゃあ、何の力を使うの?」と言う状態になっていると言えます。それでも打てるのは、腸腰筋とハムストリングスを鍛えてきたからでしょう。

こうした事を考えると、やるべき事も見えてくると思います。最終的に打つ時には、それほど極端な事をしなくても良いですが、練習の中で強調する事で、感覚を養い、またパワーを鍛えて行く必要が有ると言う事です。

今回は以上です。



2013年9月3日火曜日

分析005

次回の動画投稿は9月10日(火)前後を目安にお願いします。最終期限は9月17日(火)となります。








理由は解りませんが、どうも前脚の膝を内に入れる構えが取れないようです。ステップで前脚の膝が内に入るのを防ごうとしているのでしょうか。あるいは、前脚の膝を内に入れると、股関節の割れが無くなってしまう感覚なのでしょうか。しかし、今回の問題は、そこ(前脚の膝が、構えで開き過ぎ)に出ています。


構えでの捻りは、かなり深くなっています。しかし、これだけ捻っているのに、前脚の膝がこのくらい割れているということは、前脚をかなり開いて(外旋して)構えていると言う事になります。

その結果、前脚股関節の外旋に引っ張られて、後ろ脚の股関節が、早い段階で内旋し、パワーのタメを失っています。

ですから、かなり頑張って捻っているのに、身体の後ろ側(捕手側)の力が使えていません。

これでは、捻った意味が半減してしまいます。これでは、捻ったぶん、負担がかかるので疲れて損をしているだけに等しいと言う状態です。

ですから、打っている動画を見ても、もう一つパワーが出し切れていない状態になっています。

そもそも、捻る事の大きな意味は、下の写真のように、後ろ脚の股関節を割って、絞りのパワーをタメ、タスキラインを引き伸してトップハンドの力をタメる事にあります。ところが、今回のように後ろ脚が直ぐに内旋してしまうと、後ろ脚のパワーが使えなくなります。


この写真では、前の膝がだいぶ内に入ってますが、じゅうぶん股関節は割れています。

構えの写真を見て気になるのは、前足の内側が浮いている事です。ここまで前足をアウトエッジ荷重にしなくても、拇指球が優しく地面に触れている感じで充分、前脚股関節は割れます。ただ、ギュッと拇指球に荷重すると、大腿四頭筋が効くので、いけないということです。

もう一度「両脚股関節を割った上で、前の膝が内、後ろの膝が外のラインを作る」ということを見直してください。

ただ、前肩の動きや後ろ戻りは、だいぶ改善されているので、それは良い点です。


その他の点としては、構えがかなりキツい感じになってしまっています。つまり、股関節の割りとか、胸椎の後弯とかを名一杯にし過ぎて、少し緊張すら感じる状態です。素振りを、投手方向から見た時に、特にそれを感じます。

このくらい、構えを作り込まないと、求めたい感覚にならないということなのかもしれません。

しかし、それであれば、もっと股関節や肩甲骨のストレッチを行なう事で、もっと楽に構えても、今と同じくらいのフィーリングになるようにする必要が有るということです。

3点支持等とも関係の有る話題ですが、股関節を割る事、骨盤を前傾させる事、脊柱のS字を形成する事。。これら個別のテーマを追求する事と、調和の取れた構えを作る事は、完全には一致しません。つまり、調和の取れた構えを作ろうとすれば、それぞれのテーマを95%くらいにする必要が出て来ると言う事です。その95%で充分な効果を得るために、なおさらストレッチ、トレーニングが重要になると言う事です。林さんの場合、レベル的に、そろそろ、そうした事も考えて行った方が良い段階に来ていると言えるでしょう。

つまり、もっと股関節、肩甲骨の運動性を高めることによって、楽に構えて、捻りや、脊柱の彎曲が作れるようにする必要が有るということです。

一般的な野球選手は、股関節を割るとかは考えていないので、足裏がめくれる事はありません。大して割らないでも、下の動画のようなパワーが出るのです。足裏がきちんと地面にフィットしている事の重要性は股関節を割る事の重要性と同じくらい大きなものです。



また、これは、合わなければ今は気にしない方が良いですが、やはりバットのグリップエンドの存在が、身体の良いポジショニングを邪魔していると言う問題は大きいです。この前、傘で何気なく構えを作った時に、強く実感した事ですが、やはりグリップエンドが無いと、手の形が良くなり、その結果、股関節の形から、足裏の形も良くなります。

そうなると、もっと楽に良い構えが作れるかもしれません。

今回は以上です。

2013年8月26日月曜日

分析004

次回の動画投稿は9月2日(月)前後を目安にお願いします。最終期限は9月9日(月)となります。





非常に良い「形」で打ててます。

特に、高めの打ち方が、今までに無いくらい良く、理想的な高めの打ち方が出来つつあります。

ただ、まだ、捻った所から後ろ戻り無しで打つ動きの中で、力が発揮出来ていない感が有ります。そこの所をなんとかするのが、これからの最大のテーマになるでしょう。

例えば、前回行なった、軽いバットで股関節の円運動を使い、カンセコのイメージで打つ練習なども、その助けになると思います。また、左脚を鍛える事も重要になるでしょう。

いずれにしても、このダウン軌道のバットの出方、ボトムハンドの肩が残ったインパクト、高く振り上げられるタイトなフィニッシュ。。これらが、今までの林さんにとっての課題だったわけですから、それがクリアされた、この連続写真は、そうした目標が達成された事を表しています。これを忘れないようにしてください。

捻った構えから、後ろ戻り無しで、身体の力を一気に爆発させるように打つ。。この事を忘れないようにしてください。それが出来るようになるためには、ハムストリングス腸腰筋関連のトレーニング、後ろ脚のトレーニング、打ちに行く感覚(揺らぎ〜のリズム等)の研究(試行錯誤)が重要になってしまいます。

この構え、この打ち方だと、打ちにくいからと言って、また捻らない構えから後戻りして、打ったのでは、元の木阿弥です。

捻る。。これも重要なテーマです。捻っても楽に投手方向を向ける柔軟性とか、捻り方も考える必要があります。例えば、これはちょっと思いつきですが、右でバットを振ると、構えで捻る方向に身体を捻る事になるので、良いストレッチになるかもしれません。

今回は以上です。

2013年8月24日土曜日

分析003


次回の動画投稿ついては、このブログに掲載されてから1週間とし、最終期限は、このブログに掲載されてから2週間とすることにします。

ですので、次回の動画投稿は8月31日(土)前後を目安とし、最終期限は9月7日の(土)ということでお願いします。





巻き戻し方は良いです。

やや重めのバットを使用しているように見えます。ヒッチの出方と言い、何かテーマがあっての練習であるかのように見えます。(そういう場合は出来るだけ教えて下さい。投稿する動画は、基本的にテーマを持った練習よりも、その時点での一番自然な打ち方である方が助かります。)

ただ、基本的な知識として、押さえておきたい点として、このくらい捻りが無く、両脚の形が同じになってしまうと、どうしても始動時に重心の後ろ戻りが起きてしまうと言う事です。これも林さんの場合は大きなテーマの一つです。そして、また、両脚で膝の向きを前脚が内、後ろ脚が外にしないと、前の膝が内に入って来ます。


例えば,上の写真は前回での高重心の置きティーですが、高重心で捻らないと、どうしても後ろ戻りが起こります。そのぶん、林さんの問題点がよく出てる写真です。

始動時の後ろ戻り(特に1コマ目から2コマ目)と連動して、ボトムハンド側の肩が首の方に引きつけられるような動きを起こしています。この時、ヒッチの動きはヘッドが捕手方向に入る動きになっていますが、コレは本来のヒッチとは違う動きです。この前肩の動きがボトムハンドの引きに繋がっていると考えられます。

下の動画は前回の新聞ボール打ちです。一回目が捻りが浅い状態で撮影し、膝が内に入るクセが出ていたので、2回目は捻りを深くし、両脚の膝の向きを作って撮影しました。この時注目したのは膝が内に入るかどうかの一点でしたが、後で見ると、それだけでは無く、後ろ戻りの有無(大小)も出ています。



捻った方が後ろ脚股関節が割れて、後ろ脚からの力が強くなるぶん、後ろ戻りが起きていません。この動画は、後ろ戻りと連動する前肩の動きに注目して見てください。後ろ戻りが有ると、前肩が体幹にめり込むような好ましく無い動きが起こり、それがボトムハンドの引きに繋がっていると考えられます。

つまり、林さんの場合、捻って、後ろ脚股関節の割りを優位にし、前の膝が内、後ろの膝が外と言う脚のラインを作る事が非常に重要であるということです。さらに、右投げ左打ちの命題として、左脚を鍛える事も重要になると言う事です。

なお、現時点で後ろ戻りが有った方がパワーが出る場合は「そういう身体の使い方がクセになっている」か「左脚の力が弱い。力を使えていない」と言う可能性が考えられます。いずれにしても、高いレベルを目指すのであれば、解消していく必要に有るテーマです。

以上です。



2013年8月21日水曜日

分析002

次回の動画投稿は8月28日の水曜日までにお願いします。


今回は以下のテーマで行なわれました。

1)股関節を割る事について見直す
2)ハムストリングスと腸腰筋について、見直し、さらに深く追求する。

制作した動画には入れ忘れたのですが「低重心ハムストリングス法」のスクワットと腸腰筋その場ステップのセットの間には、腹筋とハムストリングスのストレッチを挟んでください。

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また、もう一つ、「身体のクセを無くして行き、身体の力を素直に使えるようにする」と言うテーマに則った良い練習方法が有ります。

それは、置きティーを使います。バットは普通のバットが良いです。バットをやや短く持ち、左右のグリップの間は少し開けます。つまり、手の形を最高の形にするために、グリップエンドとボトムハンドがぶつからないようにし、トップハンドとボトムハンドがぶつからないようにすると言う事です。このグリップで五本の指を全て使ってバットを握ります。手とバットがピッタリとフィットする事が重要です。そして、下半身に関しては、両足の荷重を三点支持にします。この場合、股関節を割る事やハムストリングスを効かせる事よりも、三点支持を重視します。

グリップを少し短く、両手の間を少し開ける事で、なおさら三点支持がやりやすくなるでしょう。バットと手のフィット感が良くなり、両足と地面のフィット感も良くなります。この状態が、身体の力を一番、素直に使えます。股関節を割る事とか、ハムストリングスを使う事とかは、ややおろそかになるかもしれません。しかし、そうした事をガチガチに追求し過ぎて、身体の動きが錆び付いて来て、力が素直に発揮出来なくなって来た時、この練習をすることで、いくらか、身体の機能をリフレッシュさせ、筋肉がフレッシュな状態に戻り、身体の力が素直に使えるようになって来るでしょう。そうして、その練習が倦怠期に入って来たタイミングで再び、股関節を割ったり、ハムストリングスを使う事を追求したり、グリップを決めて行くなど、構えを固めて行く作業を再開すれば良いというわけです。

このテーマは、去年の夏に江坂の公園でお話したテーマと重なります。(身体の力を素直に使えている例として)全盛期の広島の前田(グリップにクセが無い)を例に挙げて説明しました。実際、その直後の動画では、筋肉がフレッシュな状態で身体の力を素直に使えています。


この辺は、林さんにとって、一つの大きなテーマ、あるいは不振になった時に、それを脱却する引き出しの一つになるでしょう。
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ホセ・カンセコ


また、股関節の円運動をバットに連動させる練習によって、良い動きを身体に染み込ませて下さい。(ホウキでヒッチを出す練習と同じ意味です。)ただ、これは軽いバットで行なう事が重要です。重いバットだと腕が受ける負荷が大きく、どうしても打撃の精度が落ちるからです。動画はカンセコですが、そういう動きが染み付いているのが良く解ります。他には、ジョニー・ゴームス、カルロス・デルガド、ケン・グリフィーJr、アルフォンゾ・ソリアーノ等がそうですが、この動きを実戦用のバットで行なうと、やや精度が落ちる感は否めません。

実際に、試合で確立の高さを発揮するのは、ジェイソン・ジアンビのようなタイプだと言う事です。


以上です。

2013年8月17日土曜日

分析001



グリップの形(握りが深いのにコックが効いてる)や、始動時に前の膝が内に入らないのは良いです。

問題は、やはり股関節が割れていないので、ハムストリングスの力が使い切れていない事です。そのため、横から見たときのラインが投手方向に凹んだ曲線になっています。

これは、股関節の伸展より、膝の伸展が強く働いている時に出る形です。膝が過伸展を起こすと、このような曲線になるからです。

ライアン・ハワードのように投手方向に凸のライン、つまり腰が突き出されたラインが出来る事が重要です。

正面から見ると、手首の返しが早いですが、これは、ハムストリングスが使い切れていないため、腰の回転が弱いからです。

なので、スイングが少しクシャクシャした感じになっています。(のびやかさが無い)これは、カーティス・グランダーソンとか、ジェイソン・ヘイワードのように大腿四頭筋が強く働き、ハムストリングスが使えていない打者に見られる状態です。(ただし、林さんの場合は四頭筋が効いているというわけでは無い)

ジェイソン・ヘイワード

カーティス・グランダーソン


アンドリュー・ジョーンズの写真のように股関節(特に後ろ脚側)の割れた状態から、股関節伸展の力を強く使い、腰が突き出されて背中に反りが出来るようなスイングを目指して行く事が重要です。

そうすれば、フォロースルーももっと大きくなって行くでしょう。

ただ「タイトなスイング」が出来ているのは良い点です。

さらに、上半身の構えに関しても、形は良いのですが、股関節が割れていないぶん、無理に形を作ろうとしているような力みを感じます。

これが股関節が割れて来ると、自然に骨盤が前傾するので、上半身の形も、もっと楽に作れるでしょう。

まとめると、

股関節が割れるようになると、もっとハムストリングスが使えるので、腰が突き出されて背中に反りが出来るようなスイングが出来るし、腰の回転の力が強くなるので、フォロースルーが大きくなるということです。また、構えでの上半身の形も、もっと楽に、自然に良い形が作れます。

股関節の割りに関しては、構えを作る時に、そういう形になるようにすることも大切ですが、もう少しストレッチ等を通して、良く出来るようにしていく事が重要です。基本的に林さんの構えで、上手く割れていると思った事はあまり無いです。ブログのトップページに貼ってる連続写真が一番上手く出来ていますが、まだもっと良い感じにすることが可能です。やはりココに来て、「股関節を割る」ということに対する問題点が浮き彫りになった感が有ります。

以上です。